「コラーゲン」って何?

 

 

美容面で取り上げられることが多いコラーゲンだが、

本当の効果を知っている人は少ないのでは?
長年コラーゲンの研究を続けてきた高橋周七教授に、お話を伺った。

なぜ身体にはコラーゲンが必要なのか。まずはその役割を学ぼう

 

 

人の身体は、タンパク質や炭水化物、脂質、ミネラルなど多くの成分で構成されているが、もつとも主要な成分はタンパク質である。

 

「体内のタンパク質は、非コラーゲンとコラーゲンに分けられます。細胞本体が非コラーゲンで、人の身体は60兆~100兆の細胞でできています。その細胞と細胞を繋ぐ役割を果たしているのがコラーゲン(左イラスト参照)。コラーゲンは、細胞に酸素や栄養素を送り、老廃物や二酸化炭素を運び出す重要な経路の役割を担っています」

 

コラーゲンが正常でなくなると、細胞の繋ぎ目が衰え、細胞に栄養が届かず、老廃物も蓄積される。

 

「細胞の内も外もコラーゲンの衰えが引き金となり、身体がガタガタになる。これが老化なのです」

コラーゲンの減少とともに老化は進む

コラーゲンは、20歳を過ぎたころから急激に減り始め、40歳で約60%、60歳で約40%に減少する。そして、コラーゲンの減少と並行して現れるのが老いの症状だ。

「肌の張りやみずみずしさが失われ、シワが増える。新陳代謝が遅くなり、皮下脂肪が増え体形が崩れる。肌にシミやソバカスが生じる。記憶力が衰える。目、歯、髪、耳、内臓、生殖、骨などの機能が衰える。これらは、コラーゲンの新陳代謝低下により起きるのです」

新陳代謝が遅くなると、古く疲れたタンパク質が多くなり、衰え萎縮して、それがシワとなる。

「しかし、細胞の外のコラーゲンが新陳代謝されて甦れば、細胞の内も甦る。衰え減少するコラーゲンを補うには、若いコラーゲンが多い食品を食べればいいのです」

コラーゲンを含む食品、含まない食品

 

 

コラーゲンはタンパク質なので、タンパク食材に含まれる。

 

「コラーゲンが豊かなタンパク食材は、骨・皮・スジ・内臓などです。つまり、手羽や鶏ガラ、骨太の魚、魚の頭、豚骨などに多く含まれています。実は、タンパク食材でも肉や刺身には、あまり含まれていません。さらに、牛乳や卵、大豆などの植物性タンパク源には、まったく含まれていないのです」

コラーゲンを効率よく取れる方法

コラーゲンが多く含まれているのは、軟骨や骨、腱、皮、内臓などの部位。だから、骨付きの肉や鶏の手羽、魚なら皮付きのまま摂るのがおすすめ。

「魚は、骨や皮が付いたままがいい。赤身や白身よりも内臓(ホルモン)がおすすめ。内臓は、コラーゲンの宝庫なんです」

料理によっては、さらに効率よくコラーゲンを摂取できる。

「コラーゲンは、熱によって溶け出す性質があります。鶏ガラや豚骨、魚のアラなどを煮出した後にできる煮こごりは、まさにコラーゲンの宝庫。鍋料理で骨付きの肉や魚を入れて煮込み、汁まで飲むか、煮こごりを摂るのが最高です」

コラーゲン食材は、若いほうが良質なコラーゲンを摂取できる。

コラーゲン合成をアップさせるには?

実は、コラーゲンが豊富な食材を食べるだけでは、体内でコラーゲンは生成できない。

 

「コラーゲン生成には、ビタミンCが必須なのです」

 

さらに、コラーゲンは運動の刺激によって合成量がアップする。

「宇宙の無重力実験によって⋆1、力の刺激がかからないと骨や筋肉が衰えること、逆に合成に力の刺激が必要なことを証明しています」

 

寝たままでは、骨や筋肉の衰えが進むが、適度な運動で力の刺激を与えれば、コラーゲン合成が進み、骨や筋肉は若返る。

 

⋆1高橋先生が、世界で初めてスペースシャトルで行った実験

コラーゲンの摂取目安。摂りすぎは注意?

コラーゲンの摂取目安は、一日あたりどのくらいだろうか。

「人、年齢によりますが、コラーゲン量で1日1グラムから5グラム程度が目安です。手羽でいうと、3本くらい。さらに活性化させるには、合成を触媒するビタミンCのほか、サプリメントなどに含まれる、杜仲や高麗人参が有効です」⋆2

しかし、目安以上に過剰摂取すると、糖尿病の発症率が高まる可能性があるので注意が必要。

「コラーゲンがいいからといって過剰に摂取るすと、最終的に体内で変換されて皮下脂肪になる。コラーゲン食材の皮や内臓などは脂肪を多く含むために、調理の際、煮汁から脂肪分を取り除くこと。煮汁とともにコラーゲンを摂取するので、塩分も控えめにしてください」

 

⋆2高橋先生考案の、コラーゲン、杜仲、高麗人参などの配合は、特許として認められている

コラーゲン注射は本当に効果的なのか?

シワ取りや美肌効果を期待してのコラーゲン注射。その効果のほどは、いかがなものか。

「注射でコラーゲンを体内に入れても、もともと自分のコラーゲンではないので、異物と判断されてしまい、約4か月で分解、吸収されてしまいます。ちゃんと食べて吸収し、自力で再構築したコラーゲンが、美肌にもシワにも効果的なのは当然です」

身体全体に効果があるのは、やはりコラーゲンを食べて摂ることにあるようだ。

ヒアルロン酸とコラーゲンの関係

保湿効果があるヒアルロン酸。ただ、このヒアルロン酸が肌の中で保湿効果を現す場所が、実はコラーゲンの中なのだ。つまり、コラーゲンが老化し不足していたら、ヒアルロン酸が肌に保たれる量が少なくなり、保湿効果や弾力が現れにくくなってしまうのだ。

「コラーゲンとともに摂らないと効果は期待できません。ただ、このヒアルロン酸は、関節の摩擦を和らげる効果がある。膝痛をお持ちの人には、治療までの応急措置としては効果的です」

コラーゲンを効率よく摂取して、身体の中から健康で、かつ美しくなりたいものだ。

取得済特許

・配合成分についての特許

 (特許第1643514号) 
・美容についての特許

 (特許第3308433号)

 

コラーゲンは「補う」から「生み出す」に。国内はもとより、世界7ヶ国でコラーゲン合成促進に関する特許を取っています。

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